「帽子をかぶっていると頭皮に負担がかかり、頭がはげることがある」という言説を耳にしたことはないでしょうか。
このような噂を耳にして不安に感じたり、帽子をかぶることを躊躇している方も多いかもしれません。
しかし、医学的に見てこれは事実なのでしょうか。本記事では、帽子と抜け毛・薄毛の関連性や正しい予防法について詳しく解説します。
帽子をずっと被っているとはげるのか?
結論からいえば、帽子をかぶること自体が直接的にはげる原因に結びつくことはありません。
たとえば、紫外線が多い夏に帽子を被ったり、ファッションの一部として休日の外出時に帽子をかぶる程度であれば、はげるリスクは低いといえるでしょう。
ただし、長期的に帽子をかぶり続けることで頭皮や髪の毛にさまざまな影響を与え、間接的に抜け毛のリスクを高めてしまうことがあります。
帽子が抜け毛を招く具体的な原因
では、帽子を長期的にかぶり続けることでどういったリスクに結びつき、抜け毛の原因になり得るのでしょうか。
蒸れによる頭皮環境の悪化
帽子は頭全体を覆っているため、長時間にわたって着用していると頭皮が蒸れやすくなります。
蒸発しきれなかった汗や皮脂が毛穴に溜まっていくと雑菌が繁殖し、頭皮環境の悪化によって炎症やかゆみ、フケを生じさせるだけでなく、髪の毛の成長を妨げ抜け毛も引き起こすことも。
特に高温多湿の夏場や屋外での作業、運動など汗をかきやすい状況では、帽子の内側に湿気が溜まりやすいため注意が必要です。
締め付けによる血行不良
頭皮には毛細血管が張り巡らされており、毛根に栄養や酸素を届ける役割を果たしています。
毛細血管は非常にデリケートで、たとえば締め付けの強い帽子を着用していると頭部が圧迫され、頭皮の血行が悪くなる可能性もあります。
その結果、毛根に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなり、髪の成長サイクルに悪影響を及ぼし、髪が細くなったり抜けやすくなったりする恐れがあるのです。
摩擦による髪へのダメージ
抜け毛と聞くと頭皮や毛根へのダメージが原因と捉えられがちですが、髪の毛への摩擦も影響することがあります。
特に帽子を着用している場合、着脱の際に帽子の内側と髪がこすれることでキューティクルが傷つき、切れ毛が発生しやすくなります。
さらに、摩擦によってダメージを受けた髪の毛はハリ・コシを失い、抜けやすい状態になります。
長時間の着用による牽引性脱毛症
牽引性脱毛症とは、継続的に髪の毛を引っ張ることで頭皮に負担がかかり、その部分の髪の毛が抜け落ちる症状です。
主にポニーテールや三つ編みなどのヘアスタイルの女性に現れやすい脱毛症ですが、帽子を頻繁に着脱していると髪の毛が引っ張られ、牽引性脱毛症を発症する原因にもなり得ます。
また、締め付けの強い帽子を着用していると、髪の毛が毛根から圧迫され頭皮にも負荷がかかり、抜け毛につながることもあります。
はげるリスクを高めるかも?間違った帽子のかぶり方
帽子の選び方やかぶり方を間違ってしまうと頭皮に負担がかかり、はげるリスクを高めることもあります。特に注意したいのが以下のポイントです。
サイズが合わない帽子の着用
風で帽子が飛ばないよう、あえて小さめのサイズに調整しているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、サイズが小さい帽子は頭皮を強く締め付けてしまい、血流が滞る原因になります。
その結果、毛根へ十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、髪の成長に悪影響を及ぼし抜け毛が増える可能性があります。
また、サイズが大きすぎる帽子も着用時にずれやすく、摩擦がかかることで髪を傷め、切れ毛や抜け毛の原因にもなります。
通気性の悪い帽子の長時間着用
通気性の悪い帽子は長時間着用していると頭皮が蒸れやすく、雑菌の繁殖や皮脂の詰まりを助長します。
特に、ナイロンやビニール素材の帽子は通気性が悪く汗も吸収しにくいため、湿気がこもりがちです。
その結果、頭皮環境が悪化しフケやかゆみ、抜け毛などのトラブルを招く可能性があります。
髪が濡れた状態で帽子を被る
朝の出勤前にシャワーを浴びてから自宅を出るという方も多いのではないでしょうか。
しかし、髪をしっかり乾かさないまま帽子をかぶると、蒸れがひどくなり頭皮環境が悪化していきます。
加えて、湿った状態の髪はキューティクルが開いているため傷みやすく、そこに帽子の摩擦が加わることで髪が切れやすくなります。
帽子自体を清潔に保たない
帽子を洗わずに何度も使い続けると、内部に汗や皮脂、ホコリが蓄積していき雑菌が繁殖しやすい環境になります。
当然のことながら、雑菌が繁殖した帽子をそのままかぶってしまうと頭皮環境が悪化し、抜け毛を引き起こすリスクも高まります。
夏場や屋外での作業、スポーツなど、汗をかきやすい場面で帽子は多用されますが、こまめな洗濯や除菌対策を行っていないとすぐに雑菌が繁殖するため注意が必要です。
関連記事:薄毛を自分で治すことはできない?AGAの治療は男性専門クリニックで
帽子が好きな人がはげるのを予防するには
長期的に帽子を着用し続けることで、はげるリスクを高めるかもしれないと聞くと、帽子好きの方にとっては不安を感じてしまうものです。
ファッションを楽しみながらもリスクを軽減するためには、どういった対策が効果的なのでしょうか。
帽子の選び方
抜け毛や薄毛対策として帽子選びは重要なポイントのひとつです。
これまでご紹介した通り、蒸れが頭皮環境を悪化させる要因となるため、メッシュ素材など通気性の良いものが理想的です。
また、雑菌の繁殖を抑え清潔を保つためにも、洗いやすさも重視したいところ。品質表示タグを確認し、洗濯の可否や方法を調べておきましょう。
洗濯が難しかったり頻繁に洗濯ができない場合には、汗を吸収してくれるインナーキャップと組み合わせてみるのもひとつの手です。
日頃から頭皮ケアを行う
適切な頭皮のケアは抜け毛・薄毛対策の基本です。丁寧なシャンプーで皮脂や汚れを落とすことはもちろん、髪を洗った後は速やかにドライヤーで乾かし頭皮を清潔に保ちましょう。
また、頭皮の血行を促進し十分な栄養と酸素を循環させるために、頭皮マッサージも効果的です。
指の腹を使い、心地よいと感じる程度の力で押さえながら頭皮全体をマッサージしてみましょう。
さらに、日差しの強い日には紫外線対策として帽子の着用はもちろんのこと、頭皮専用の日焼け止めスプレーの使用もおすすめです。
季節ごとの注意点
頭皮環境は季節によっても変化するため、それぞれに応じた対策を講じなければなりません。
たとえば、高温多湿の夏場は蒸れ対策として通気性の良い帽子を選び、汗をかいたらこまめに拭き取るようにしましょう。
また、できるだけ洗濯のしやすい素材の帽子を選び、下着や衣類と同様に毎日洗うことが理想的です。
一方、冬場は頭皮を乾燥から守るため、ニットキャップなど保温性・保湿性に優れた素材の帽子を活用してみましょう。
【専門家が回答】帽子と薄毛のよくあるQ&A
最後に、帽子と薄毛に関連するよくある疑問とその回答をご紹介します。
Q.帽子の素材によってはげやすいものはある?
A.ポリエステルやナイロン、アクリルといった一部の化学繊維は通気性が良くありません。
特に汗をかく夏場にこれらの素材でできた帽子を長時間着用することで、頭皮環境が悪化しはげるリスクを高める可能性があります。
Q.すでにはげている場合、帽子は逆効果?
A.毛量が少ない方の場合、頭皮を保護するためにも帽子の着用が推奨されます。
ただし、雑菌が繁殖した帽子は頭皮環境に悪影響を与え逆効果となるため、こまめに洗濯しつねに清潔な状態を保っておきましょう。
関連記事:夏に男性の抜け毛は増える?季節性の脱毛とAGAの違い
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男性の抜け毛・薄毛は帽子以外にもさまざまな要因があり、早めの対策が求められます。
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まとめ
帽子をかぶることが直接的にはげる原因になるとは限りません。
ただし、長期間にわたってサイズの合わない帽子や衛生管理が行き届いていない帽子、通気性が悪い帽子などを着用していると頭皮環境が悪化し、間接的に抜け毛や薄毛の原因になることもあります。
帽子をかぶり始めてから抜け毛が気になるようになったという方は、まずは今回ご紹介した対策を実践していただき、専門の医療機関での適切な検査・治療もご検討ください。